セキセイインコはとても頭がよく、遊びの時間を通して心を通わせたり信頼関係を深めたりできます。
一方で、遊び方を間違えるとストレスがたまって噛みついたり、羽を抜いたりしてしまうこともあるんですよ。
そこでこの記事では、私の飼育経験をもとに簡単に実践できるセキセイインコとの 「遊び方」 をわかりやすく紹介します。
遊んでいるうちに 「なつく」 「おしゃべりする」 といった嬉しい変化もみられるようになりますよ!
セキセイインコの飼い方は 【初心者でも安心】セキセイインコ飼い方ガイド|お迎えからお世話までを徹底解説! をご覧ください。
セキセイインコの餌については 【保存版】セキセイインコの餌について詳しく解説!|種類・1日の量・与え方 をご覧ください。
セキセイインコにとって遊びがもたらす3つの効果

セキセイインコにとって遊びは、
- 運動不足の解消
- ストレス発散
- 信頼関係の構築
といった効果があります。
十分に遊べないと、ストレスをためて 「毛引き」 「噛み癖」 「鳴きすぎ」 などの問題行動を起こすこともあり、心の健康にも直結します。
それぞれ詳しく解説しますね。
運動不足の解消
セキセイインコはもともと群れで飛び回る鳥です。
ケージ内で過ごすだけでは、飛ぶ・羽ばたくなどの自然な運動が不足し、筋力や体力の低下につながります。
肩や手の上で遊ぶだけでも、セキセイインコはバランスをとるために足や羽を使います。
また、放鳥させると胸筋や翼の筋肉、心肺機能のトレーニングにもなります。
運動不足は肥満や羽のツヤの低下、内臓機能の衰えにもつながるため、1日10〜15分でも放鳥や遊びを取り入れることが健康維持には不可欠です。
ストレス発散
セキセイインコは知能が高いため、刺激がないと 「羽をむしる」 「ケージ内で叫ぶ」 「大声で鳴く」 などの問題行動を起こすことがあります。
遊びはセキセイインコの退屈や孤独感を防ぐ最高の手段で、飼い主さんやおもちゃで遊ぶ時間を持つことで心に適度な刺激が入り、精神的な満足感が得られます。
特に、隠れたおやつを探すゲームや知育トレーニングは、頭を使う遊びとしてストレス発散に最適です。
信頼関係の構築
遊びながら優しく接しているとセキセイインコは飼い主さんを 「安心できる存在」 と学習します。
肩に乗せておやつを与えたり一緒に遊んだりする時間は、飼い主さんへの信頼感を育てる絶好のチャンス!
信頼関係が築かれると、セキセイインコは自ら寄ってきたり手や肩に止まったり、さらにはお喋りや芸を覚えたりするようにもなります。
怖がりな子でも、穏やかで優しい声かけをしながら遊ぶことで、少しずつ心を開いてくれます。
遊びを軽視したり無理に触ろうとすると、不安感が増してなつきにくくなるため注意しましょう。

我が家のポフくんも臆病で警戒心が強い子ですが、遊んでいるうちに寄ってきたりお喋りをするようになりました。
セキセイインコと遊ぶ前の準備と状態確認

セキセイインコと遊ぶときに最も大切なのは遊ぶ場所の「安全」です。
初心者は特に 「放鳥時の事故防止」 を意識することが大切です。
「安全」 チェックと同時に、セキセイインコの状態も確認します。
体調・テンションを見極める
元気に羽を広げたり、さえずったりしているときが遊びどき。
逆に、羽を膨らませてじっとしているときは、体調不良の可能性があるので無理は禁物です。
発情期や換羽期に注意
発情期や換羽期は、普段と違って神経が敏感になります。
しつこく構うとストレスになるため、遊ぶ時間を短めにしましょう。
求愛行動による吐き戻しや巣作り行動、産卵などが見られる時期。
通常は生後6か月頃からはじまる。早ければ生後3か月頃からはじまることも。
年に数回、全身の羽が抜けて新しい羽に生え変わる時期。順調だと1~2週間で完了。
「かまいすぎ」 にならない距離感で
可愛くてついかまいたくなりますが、1日中相手をすると依存傾向が強まります。
1回15〜30分を目安に、複数回に分けるのが理想です。
セキセイインコとの遊び方

ケージ内でも退屈しないおもちゃ遊び
セキセイインコがひとりの時間に退屈しないよう
- 鈴
- 鏡
- ブランコ
などのおもちゃを取り入れ 「刺激のある環境」 を作りましょう。
おもちゃは3〜4日ごとに
- 位置を変える
- 種類を入れ替える
と、飽きずに好奇心が維持されます。
おもちゃは中毒や誤飲の危険がない安全なものを選びましょう。

インコ専用と明記されているものが安心です!
放鳥中におすすめの遊び方
ステップアップ遊び(指から肩へ移動)
放鳥中の基本となるのが 「ステップアップ(おいで)」 の練習です。
これは飼い主さんの指や手、肩へ呼ばれて移動する動作で、信頼関係を築く第一歩でもあります。
- 指先をゆっくり差し出し、「おいで」 と声をかける
- 成功したらすぐに褒めて、おやつを与える
この練習を繰り返すことで、 「飼い主さん=安心できる存在」 と学習します。
肩に乗れるようになれば、放鳥中の移動も安全かつスムーズになり、信頼度が格段にアップします。
手に乗るのを怖がる子は、まずは手に慣れることが肝心です。
【保存版】セキセイインコを手乗りにするための3つの基本ステップ で詳しく解説しています。
ボール転がしや引っぱりっこなどのアクティブ遊び
セキセイインコは運動好きで、動くものを追いかけるのが大好きです。
紙玉やプラスチックボールを転がすと、興味を持って追いかけたり、つついたりして遊びます。
また、細い紐や紙の端をお互いに引っ張り合う 「引っぱりっこ」 もおすすめ。
この遊びは運動+知的刺激+コミュニケーションの3要素を兼ね備えています。
- ひもや紙➡細かくちぎれない安全素材を使用
- 紙玉やボール➡軽くて口に入らない大きさを選ぶ
- 必ず飼い主がそばで見守る
といったことに注意し、毎日の放鳥タイムに取り入れると筋力もアップ!
おやつ探しゲーム(知育・探索系)
セキセイインコは好奇心旺盛で 「探す・見つける」 遊びが大好きです。
おやつを包んだティッシュや紙コップをいくつか置いておき、 「どこにあるかな?」 と声をかけると、夢中で探してくれます。
「おやつ探しゲーム」 は、嗅覚と記憶力を刺激します。
この遊びは自然界で餌を探す行動に近く、知的好奇心を刺激するため知育トレーニング+達成感+飼い主さんとの対話を同時に育てる優秀な方法です。
最初は簡単なレベル(おやつが見える状態)からはじめ、慣れてきたら難易度を上げていきましょう。
見つけたらしっかり褒めてあげると 「また探したい!」 という気持ちが育ちます。
「おやつ探しゲーム」 は脳を活性化し、ストレス解消にも効果的です。
飼い主さんと一緒に楽しむ音声・まねっこ遊び
セキセイインコは音にとても敏感で、声や音を聞き分け真似をすることが得意です。
口笛や短い言葉を繰り返すうちに、セキセイインコも同じ音をまねするようになります。
「おはよう」 「かわいいね」 など、高めで明るい声が真似しやすい傾向に。
一緒に口笛を吹いたり歌をかけて軽くリズムに合わせると、まるで“共演”しているような気分を味わえます。
この遊びは言葉のコミュニケーションを通じた信頼形成に最適です。
遊びながら 「この人といると楽しい」 とインコが感じることで、よりなつきやすくなります。
性格・個体差に合わせた遊び方
怖がりな子に向いている静かな遊び
基本は 「安心感づくり」 から。怖がりな子は焦らず時間をかけることが大切です。
- 最初は手を出さず、近くに座って存在に慣れさせる。
- 手のひらにおやつを乗せ、自分から寄ってきたら軽く褒める。
- 手の上でまったり過ごしたり、静かに話しかける。
目を細める・羽を膨らませるなどのサインが出たらすぐ中断し、安心できる時間を積み重ねて 「信頼関係」 を深めていきましょう。
好奇心旺盛な子が喜ぶチャレンジ系遊び
好奇心旺盛な子は
- 紙や段ボールの迷路
- 吊るしおもちゃ、ブランコ
といった 「動きのある遊び」 で刺激を与えると◎。
新しいおもちゃはすぐにケージに入れず、まず外に置いて慣れさせ、興味を示したら 「すごいね!」 と声をかけ、成功体験を増やしましょう。
マイペースな子との上手な距離の取り方
マイペースな子は無理に構わず、興味を示したタイミングだけ遊びに誘います。
- 自分から来たときだけ構う。
- 無理に誘わず、そっと見守る姿勢を心がける。
- 朝や夕方など、決まった時間に短く遊ぶ。
- 静かに過ごせるおもちゃ(止まり木・かじり木など)を複数置く。
「遊びたい気分」 を見極めるのが大切で、マイペースな子は自分のペースを尊重してもらえると心を開きやすくなります。
信頼関係を深める遊び方
名前を呼んで反応を引き出す
遊びのたびに名前を呼ぶことで 「自分の名前」 を学び、呼びかけに反応するようになったり自分の名前を喋るようになったりします。
セキセイインコが喋る確率はどのくらい?喋る理由や練習方法もあわせて解説!
最初は優しいトーンで 「〇〇ちゃん、おいで」 など短く繰り返すのがポイント。
来てくれたら 「いい子!」 と声をかけ、おやつをあげたり撫でたりして褒めましょう。
名前=楽しい時間と結びつくと、自然と 「呼び戻し」 もできるように!
飼い主さんの呼びかけ(名前・合図・声のトーン)に反応し、 「手の上」 や 「肩」 「ケージの入口」 などに戻ってくる行動。
「おしゃべり」 「鳴き声合わせ」 で絆を育む
セキセイインコが飼い主さんの声に合わせて鳴いたり真似をしたりするのは信頼のサイン。
静かな時間に 「おはよう」 「かわいいね」 など短く明るい言葉や、口笛を繰り返すのが効果的です。
言葉の意味というより “声のトーン” を通じて安心感を感じています。
会話のような時間が、心の距離をグッと近づけます。
ご褒美(おやつ)を使ったポジティブな学習
遊びのあとに少量のおやつ(粟穂や青菜の欠片など)を与えると 「遊ぶ=嬉しいこと」 と記憶します。
ただし与えすぎは禁物で、1回の遊びで1〜2粒程度が目安です。
セキセイインコは褒められることでやる気を出すため、叱るよりも 「できたら褒める」 「少しずつ伸ばす」 を意識すると、信頼が長く続きます。
インコが安心できる“終わり方”を意識する
遊びの終わりも意外と重要。
突然ケージに戻すと 「楽しいのに終わった」 と不満を感じることがあります。
遊び終える前に 「また遊ぼうね」 と声をかけ、手の上で少し落ち着かせてから戻すと安心します。
この “穏やかな終わり方” を繰り返すことで、次回も前向きに遊びに応じてくれるようになります。
年齢別の遊び方と季節ごとの環境
幼鳥〜若鳥期(生後35日~生後8か月頃)の遊び方
この時期はで何にでも興味を示すため、遊びながら 「人や環境に慣れる」 ことが大切です。
短時間の軽い遊び(5〜10分)から始め、手の上で撫でたり指に乗せる練習を行いましょう。
音の出る小さな鈴やカラフルなおもちゃも好奇心を刺激します。
「楽しい=安心できる」 と感じさせることが信頼関係の第一歩です。
骨や筋肉が発達途中のため、高い場所での遊びや長時間の放鳥は避けましょう。
成鳥期(生後8か月~8歳頃)の遊び方
成鳥になると好みがはっきりしてきます。お気に入りのおもちゃや遊び方を見つけたら、繰り返し楽しませてあげましょう。
体力が十分ある時期なので、ブランコや吊るしおもちゃ、知育系(おやつ探し・ボール転がし)などの “考える遊び” もおすすめです。
ただし、発情期や換羽期は疲れやすいため、遊びを控えめに。テンションの高い時は優しく落ち着かせる時間をつくることも大切です。
高齢期(8歳以降)の遊び方
高齢になると体力が落ち、羽ばたきも少なくなります。
無理に動かすよりも、穏やかなスキンシップや声かけ中心の時間を大切にしましょう。
低めの止まり木や段差のないおもちゃで、安全に遊べる環境を整えるのがポイント。
「触れる」 「話しかける」 「寄り添う」ことで、穏やかな安心感を与えられます。
季節ごとの環境
季節に合わせた環境を意識することで、セキセイインコは安心してのびのび遊べるようになります。
| 季節 | 環境 |
|---|---|
| 夏 | 室温26〜28℃、湿度50〜60%が目安 冷房の風が直接当たらないよう配置に注意 熱中症対策として、こまめな水替えや涼しい遊び場を確保 |
| 冬 | 室温20〜25℃を保つ 保温ランプやパネルヒーターを活用 放鳥後はすぐケージに戻して保温 |
| 春・秋 | 気温差が大きい時期は遊び時間を短めにして体調変化を観察 |
遊びの頻度と時間の目安

1日どのくらい遊べばいい?
1日2〜3回、合計1時間程度が理想で、短くても毎日触れ合うことが大切です。
一度に長く遊ぶより、短時間を数回に分ける方がストレスになりにくく、集中して楽しめます。
時間が取れない日でも、5分でも声をかけたり、手に乗せてあげるなど 「毎日触れ合う習慣」 が信頼関係を深めます。
遊び疲れのサインを見極める
「羽を膨らませる」 「呼吸が早くなる」 「目を細める」 などは遊び疲れのサイン。
すぐにケージへ戻し、静かに休ませましょう。
また、 「急に鳴かなくなる」 「動きが鈍くなる」 のも疲れのサインです。
長時間の放鳥がNGなケースとは?
- 冬の寒い日➡体が冷えて免疫が下がる危険あり。
- 体調不良時➡遊びより安静が最優先。
- 換羽期(羽が抜け替わる時期)➡体力を使うため、無理は禁物。
このようなときは放鳥時間を短くし、ケージ内で穏やかに過ごせる工夫をしましょう。

体調に合わせてあげることが大切!
遊ぶときの注意点|やってはいけないNG行動
初心者がやりがちな失敗例は、
- 大きな声や急な動きで驚かせる
- 長時間遊ばせすぎる(疲れ・体温低下の原因)
- おもちゃを一度にたくさん入れる(混乱・ストレス)
- 無理やり触ろうとする(信頼関係が壊れる)
セキセイインコは繊細。
「楽しくて安心できる時間」 を一番に考えた遊び方が理想です。
セキセイインコの遊びに関するよくある悩みと対処法

遊びに飽きる・興味を示さない
セキセイインコはとても賢く、同じおもちゃや遊びを続けると飽きてしまうことがあります。
そんなときは、
- おもちゃを3〜4種類でローテーションする
- 飼い主が声のトーンや動きを変える
- 新しい素材(紙・鈴・鏡など)を使ってみる
といった工夫で興味が復活。
それでも遊ばない日は 「今日は休みたい日なんだな」 と受け止めて、無理に誘わないことも大切です。
遊んでいる最中に噛む・逃げる場合
噛むのは 「怖い」 「疲れた」 「構われすぎた」 などのサイン。
逃げた場合は無理に追わず、静かに距離を取りましょう。追いかけると信頼を損ねてしまいます。
落ち着いたら、そっと声をかけて安心させると◎。
無理をしない姿勢が、結果的にセキセイインコとの関係を長く安定させます。
遊びすぎて興奮・発情してしまう場合
手や顔にすり寄る、鳴き声が増えるなどの行動が見られたら、一時的に遊びを中断しましょう。
発情を促すようなスキンシップ(頭をなで続ける、長時間の密着)は控えめに。
一度クールダウンの時間を作ることで、セキセイインコも心が落ち着きます。
安全面のトラブルへの対応
放鳥中の 「誤飲」 「落下」 「窓ガラスへの衝突」 はよくある事故です。
もし誤って食べた、ぶつけたなどのトラブルが起きたら、すぐに動物病院へ。
危険な 「小物」 「観葉植物」 「開いた窓」 がないかを事前にチェックし 「放鳥中は必ず目を離さない」 ことが、安心して遊ばせる一番のコツです。
まとめ: 「遊び」 はセキセイインコとの信頼を育てる最高の時間
セキセイインコとの遊び方について解説してきました。
セキセイインコの遊びは、
- ケージ内でも退屈しないおもちゃ遊び
- 放鳥中におすすめの遊び
- 性格・個体差に合わせた遊び
- 信頼関係を深める遊び
- 年齢・季節ごとの遊び
があり、単なる娯楽ではなく健康維持と信頼関係づくりの両面で欠かせないものです。
安全な環境を整え、セキセイインコの性格に合わせたおもちゃや遊び方で、絆を深めていきましょう!


