手を差し出すと乗ってくれる 「手乗りインコ」。
その可愛らしい姿に、
「自分のインコも手乗りにしたい!」
と思ってしまいますね。
セキセイインコは雛から育てた方が手乗りになりやすいのですが、成鳥でも手乗りにすることは十分可能です。
また、手乗りになると 「日常のケアなどがしやすい」 といったメリットもあるので、セキセイインコを飼うならぜひ手乗りに挑戦してほしいです。
というわけで、この記事では 「セキセイインコを手乗りにするための基本ステップ」 について解説していきます。
記事の後半では 「よくある失敗や注意点」 「手乗りの練習を成功させるコツ」 なども解説しています。
「セキセイインコを手乗りにしたい!」 という方はぜひ参考にしてみてください。
手乗りにするメリット

セキセイインコを手乗りにすると、以下のように3つのメリットがあります。
- 信頼関係が深まる
- 日常ケアや健康チェックがしやすくなる
- ストレスが軽減される
1つずつ解説しますね。
メリット1.信頼関係が深まる
セキセイインコは 「この人は安全」 と信頼しなければ手には乗りません。
手乗りの練習によってふれあう機会が増えることで、飼い主さんへの警戒心が解かれ信頼関係が深まる、といったメリットがあります。
メリット2.日常ケアや健康チェックがしやすくなる
手乗りにすると、
- 爪切り
- 羽の確認
- 体重測定
などの日常ケアや健康チェックがスムーズに行えるようになります。
手乗りのセキセイインコは、呼びかけにも反応しやすく触られることに慣れているため、無理に捕まえる必要がないからです。
また、触られることに慣れていると、病院での診察や治療も落ち着いて受けられるので 「セキセイインコの負担が少なく済む」 というメリットもあります。
メリット3.ストレスが軽減される
セキセイインコは群れで暮らす習性があり
- 孤独
- 刺激不足
が苦手です。
手乗りにするためには飼い主さんとのふれあいが必要で、日常的にふれあうことで孤独や刺激不足が解消されるため、 「ストレスが軽減」 されます。
以上のように手乗りにはメリットがありますが、個体によって手乗りになりやすさに違いがあります。
次の章で詳しく解説します。
手乗りになりやすい年齢と性格

セキセイインコが手乗りになりやすい年齢と性格は、
- 生後1~2か月の雛
- 好奇心が強い性格
それぞれ解説しますね。
生後1~2か月の雛
生後1~2か月の雛の時期は、警戒心が薄く人間に慣れやすいです。
この時期から手で餌を与えると、 「短期間で」 信頼関係を築くことができます。
好奇心が強い性格
好奇心が旺盛で人の動きに興味を示す個体は、慣れるのが早い傾向にあります。
また、おやつをすぐに受け取る個体も比較的スムーズに手乗りになります。
一般的にオスの方が好奇心が強く、人に慣れやすい傾向がありますが、やや慎重なメスでも一度慣れると深い信頼関係を築けるので、性別だけで判断することはできません。
次に手乗りになりにくい年齢と性格を解説します。
手乗りになりにくい年齢と性格

セキセイインコが手乗りになりにくい年齢と性格は以下のとおり。
- 成鳥
- 臆病で警戒心が強い性格
理由を解説します。
成鳥
成鳥は、過去の経験や固定観念から警戒心が強くなっている場合があるため、手乗りになるまでに数か月以上かかることもあります。
臆病で警戒心が強い性格
幼鳥や若鳥といったまだ成鳥ではない個体でも、臆病で警戒心が強い性格の場合は手乗りになるまでに時間がかかることがあります。
警戒心が強く臆病な性格の個体は、その子のペースに合わせてあげることが大事です。
焦らず少しずつ距離を縮めて警戒心が薄れてきたら、手乗りの練習をはじめましょう。

根気強く練習を続けていれば、時間はかかるかもしれませんが手に乗るようになりますよ!
手乗りの練習は、事前に準備してから行うとスムーズに進めることができ手乗りになる時間も短縮になります。
何を準備すればいいのか次の章で解説します。
手乗りの練習をはじめる前の準備

手乗りの練習をスムーズに進めるために、まずは以下の3つを準備しましょう。
- 落ち着けるケージ環境
- おやつなどの好物
- 活動的な時間帯
詳しく解説します。
1.落ち着けるケージ環境
ケージは静かな場所に置き、余計なおもちゃや刺激の強い飾りは控えてセキセイインコが安心できる空間にします。
安心できる空間は警戒心が薄れるため、手乗りの練習をスムーズに進めることができます。
2.おやつなどの好物
手乗り練習がうまくできたら、ご褒美として大好きなおやつを与えるとセキセイインコのやる気もアップ!
手から与えることで 「手はいいことがある存在」 とセキセイインコは認識します。
与えすぎると主食を食べなくなるので注意しましょう。
3.活動的な時間帯
朝や夕方などの活動的な時間帯は、セキセイインコが集中しやすい時間で手乗りの練習に向いています。
昼寝の時間や食後は避け、機嫌がよく落ち着いている時間帯を手乗りの練習の時間として確保しましょう。
ここからはいよいよ手乗りの練習です。
わかりやすようにステップ形式で解説します。
手乗りの練習3つの基本ステップ

手乗りの練習は、以下の順に練習するとスムーズに進めることができます。
- まずは手に慣れさせる
- ケージの中で手に乗る練習
- ケージの外で練習する
順番に見ていきましょう。
1.まずは手に慣れさせる
まずは手に慣れさせる練習からはじめていきます。手順は以下のとおり。
- ステップ1.ケージ越しから餌やおやつをあげる
ケージ越しの怖がらない距離から餌やおやつを与えてみて 「手=安心」 ということを覚えさせる。
- ステップ2.ケージの中で餌やおやつをあげる
ケージの中に手を入れて餌やおやつを見せる。手を入れると逃げてしまうようなら1からやり直す。
- ステップ3.もう片方の手も近づけてみる
ケージの中で飼い主さんの手から餌やおやつを食べてくれたら、もう片方の手も近くに差し入れてみる。
2.ケージの中で手に乗る練習
次にケージの中で手に乗る練習をしていきます。
- ステップ1.ケージの中で手を差し出してみる
餌を持った手をゆっくり前に差し出し、軽くお腹にふれて 「おいで」 と声をかける。
- ステップ2.自然に手に乗ったら褒めて好物を与える
最初は数秒だけでOK。
3.ケージの外で練習する
ケージの中で手に乗るようになったらケージの外で練習していきます。
- ステップ1.正面に立って背中をのぞき込む
スタンド型の止まり木に乗せ、飼い主さんは正面に立ちセキセイインコの背中をゆっくりとのぞき込む。
- ステップ2.30cmくらい離れた位置から手を差し出す
手は親指を内側に曲げ、残りの四本の指をまっすぐ揃えた状態にする。(インコが安心する)
止まり木より下から出すのがポイント。
- ステップ3.手の距離を15cmくらいに近づける
このとき止まり木と手がほぼ平行になるようにする。
- ステップ4.止まり木より少し上の位置に手を近づける
最後は止まり木より少し上の位置まで手を近づける。
階段を1段上がるようなイメージで、まっすぐに人差し指を伸ばして止まり木のようにする。
- ステップ5.指に止まった状態で胸の前に移動
セキセイインコが指に乗ったらゆっくりと飼い主さんの胸の前に手を移動させる。
できたら 「すごい!」 「いい子だね!」 と優しく褒める。
練習中に逃げてしまっても捕まえようとせず、自ら戻ってくるのを待った方が信頼関係を築きやすいです。
手乗りの練習でよくある失敗を次の章で解説します。
よくある失敗と注意点

手乗りの練習をする際についやりがちなのが、
- 焦りすぎる
- 大きな音や急な動き
- ご褒美の与えすぎ
これらは手乗りの練習を失敗させるので注意が必要です。
どういうことなのか、それぞれ詳しく解説しますね。
焦りすぎる
早く手乗りにしたいからと焦って無理に捕まえたり長い時間練習したりするのは逆効果です。
嫌な体験が記憶に残ってしまい、手に慣れるまでの期間が延びてしまいます。
大きな音や急な動き
セキセイインコは警戒心が強く、大きな音や急な動きに敏感です。
練習中は静かにゆっくり動くことが大切。
ご褒美の与えすぎ
ご褒美におやつを与えすぎると、健康面で問題が出るだけでなく 「おやつがないと手に乗らない」 状態になることも。
ご褒美はあくまで 「練習をスムーズに進めるための補助」 ととらえ、与えすぎないように気をつけましょう。
手乗りの練習を成功させるコツ

手乗りの練習を成功させるコツは以下の3つ。
- 短時間でも毎日ふれあう
- セキセイインコの気持ちを尊重する
- 声や表情で安心感を与える
1つずつ見ていきましょう。
1.短時間でも毎日ふれあう
1日数分でもいいので毎日継続してふれあうことで信頼は積み重なります。
声かけや手渡しの餌やりだけでも効果はあるので毎日続けましょう。
2.セキセイインコの気持ちを尊重する
羽を膨らませて眠そうなときや、興奮しているときは練習を控えましょう。
状態を観察してタイミングを合わせることが大事です。
3.声や表情で安心感を与える
同じ声色で名前を読んだり笑顔で接したりすることは、セキセイインコに安心感を与えます。
声のトーンは高めで柔らかく、を心がけましょう。

手乗りの練習をしつつも、名前も覚えるので喋る練習にもなりますよ!
セキセイインコのお喋りについては セキセイインコが喋る確率はどのくらい?喋る理由や練習方法も併せて解説! を参考にしてみてください。
せっかくセキセイインコが手乗りになったのに、その後の関わり方次第では信頼関係が崩れてしまうことがあります。
次の章で詳しく解説します。
手乗りになったあとのスキンシップ

せっかく手乗りになったとしても、ケージから出さずにあまりかまわないでいると手を怖がるようになることもあります。
一度築いた信頼関係が崩れてしまわないためにも、
- おもちゃを使った遊び
- 放鳥
などで継続してふれあうことが大切です。
手乗りになったあとも、毎日スキンシップをとって信頼関係をより一層深めていきましょう。
おもちゃを使った遊び
ブランコや鈴、ボールなどを使って遊びながら手に乗せると、ふれあいの時間がより一層充実したものになります。

飽きないように、おもちゃは数種類をローテーションするのがおすすめです。
セキセイインコとの遊び方を詳しく紹介した記事 【初心者必見!】セキセイインコが喜ぶこと4つと仲良くなれる遊び方を紹介 も参考にしてみてください。
放鳥時間の過ごし方
安全な部屋で自由に飛ばせて戻ってきたら褒めておやつを与えます。
飛んだあとは、指や肩に乗せて休ませると安心感が高まり信頼関係の継続につながります。
まとめ:信頼を積み上げてセキセイインコを手乗りにしよう
セキセイインコを手乗りにする基本ステップについて解説してきました。
セキセイインコは雛のうちから練習を始めれば短期間で慣れやすく、成鳥でも根気強い練習で手乗りにすることが可能です。
練習をはじめる前の準備や段階的なステップ、短時間でも毎日ふれあうことが手乗りになる近道です。
手乗りになったあとも遊びや放鳥を通じて楽しい時間を共有し、継続的な絆につなげていきましょう!