セキセイインコの健康診断の主な目的は病気の早期発見や早期治療ですが、それ以外にも重要な目的もあり定期的に受けることが望ましいです。
とはいえ、はじめて飼う方は
いつ受ければいいんだろう?頻度は?
費用はどれくらいかかるのかな…。
と疑問に思うのではないでしょうか。
そこでこの記事では 「セキセイインコの健康診断」 について飼育歴6年の私が初心者向けに詳しく解説していきます。
- 健康診断を受ける目的
- 受診のタイミング
- 検査項目・費用
- 健康診断の流れ
- 信頼できる病院の選び方
- 連れていくときの注意点
主な検査項目や費用、信頼できる動物病院の選び方も解説しています。
記事を読めば、健康診断に対する疑問や不安が解消できるよう丁寧にまとめています。

受診の参考にしてみてくださいね!
セキセイインコの健康診断を受ける目的

セキセイインコの健康診断を受ける目的は、
- 病気の早期発見と早期治療
- 鳥の専門医を確保する
- 健康に関する情報とアドバイスがもらえる
- キャリーケースへ入ることに慣れさせる
の4つです。
1つずつ詳しく解説します。
1.病気の早期発見と早期治療
冒頭でもお伝えしましたが、健康診断の一番の目的は病気の早期発見と早期治療です。
セキセイインコは病気の進行も早いうえに、病気を隠す習性もあるので症状が出てからでは手遅れという場合も。
そのため、定期的に健康診断を受けておくことは早期発見、早期治療による回復で、健康で長生きへとつながっていきます。
健康診断のほかにもセキセイインコを長生きさせるためのポイントがあります。
セキセイインコを長生きさせるためのポイント4つ【初心者必見!】 で詳しくまとめていますので参考にしてみてください。
2.鳥の専門医を確保する
鳥の専門病院は数が限られているため、体調不良になってから病院を探してもなかなか見つからない場合があります。
健康診断をきっかけに、鳥の専門医を確保しておくという意味でも、健康診断は受けてくと安心です。
3.健康に関する情報とアドバイスがもらえる
健康診断の際、健康に関して獣医師からまざまな情報やアドバイスを受けられます。
「肥満傾向」 「消化能力が弱い」 といった、生活習慣で注意する具体的な内容を知ることができるため、
より一層セキセイインコの健康に配慮した飼育ができるようになります。
4.キャリーケースへ入ることに慣れさせておく
体調不良で急いで病院に連れて行こうとしても、お出かけ用のキャリーに入りたがらない場合、体力が落ちているセキセイインコの負担が増えてしまいます。
健康診断をきっかけにキャリーケースへ入ることに慣れさせておくことで、体調不良になった時の迅速な対応につながりセキセイインコの負担も軽減できます。
次の章では、健康診断を受けるタイミングについて解説します。
セキセイインコの健康診断を受けるタイミング

健康診断を受けるタイミングは、
- お迎え直後
- 半年に1度ずつの年2回
が理想的です。
それぞれ理由を解説します。
お迎え直後
ペットショップで入手したセキセイインコは感染症を保有していることが多いため,
お迎え直後に健康診断を受けておくと安心です。
特に雛は免疫が弱く感染症にかかりやすいため、お迎え直後の健康診断は必須になります。
半年に1度ずつの年2回
健康診断は5歳までは半年に1度ずつの年2回が理想的で、最低でも年1回は受診するのが望ましいです。
加齢とともに体や心にさまざまな変化が生じる5歳以上は生活習慣病にかかる確率が高くなってくるため、年2回受診すると安心です。
ここからは、実際の健康診断について検査項目や費用を解説します。
セキセイインコの健康診断の検査項目と費用

健康診断の検査項目は、
- 基本検査
- オプション検査
があります。
それぞれ詳しく解説します。
基本検査
基本検査の一般的な費用は3,000~5,000円程度。
体重測定・身体検査
体重を量り獣医さんが直接体にさわりながら異常がないかを調べます。
また、聴診器を当てて心臓や肺に異常がないかも調べます。
糞便検査
細菌や寄生虫の有無や消化状態に異常がないかを調べます。
「そのう」検査
「そのう」の病気がないかを調べる検査。
専用の器具でそのう液を採取し、顕微鏡で調べます。
細菌や真菌、寄生虫などがいないか、「そのう」に炎症がないかなどがわかります。
食べたものをためてふやかす消化器官の1つ。食道が拡張した口と胃の間にある器官で、外観から見ると喉から胸のあたりに位置する。
オプション検査
オプション検査は、
・血液検査:約10,000~15,000円
・遺伝子検査:20,000円前後
基本検査と比べて費用は高めです。
血液検査
血液を採取し、血球の状態や内臓に異常がないかを調べる検査。
貧血、内臓疾患、代謝性疾患などを必要に応じて調べます。
X線検査
保定しながらエックス線写真を撮影する検査。
骨や呼吸器、甲状腺など内臓の大きさや形に異常がないかを確認します。
感染症検査
フンや血液を採取して病原体の遺伝子を調べ、感染症の有無を確認する検査。
この検査により、「クラミジア症」「PBFD」「BFD」などにかかっていないかがわかります。
クラミドフィラ・シッタンと呼ばれる微生物の感染にる病気。
鼻水、くしゃみなどさまざまな症状があらわれるが、呼吸困難など呼吸器系の症状を示すことが多い。
オウムやインコなどの鳥に感染するウイルス性の病気。
PBFDウイルス(サーコウイルス)が原因で羽毛障害や免疫不全、突然死を引き起こす。
鳥以外の動物に感染しない。
BFD(セキセイインコの雛病)は、ポリオーマウイルスによる感染症で、主にオウム目やフィンチ目などの鳥に感染する。
出血傾向と肝臓の機能低下などの症状や、突然死を引き起こす。
健康診断はどんな順番で行うのか、次の章では健康診断の流れを解説します。
セキセイインコの健康診断の流れ

事前に健康診断の流れを把握しておくと、セキセイインコも飼い主さんも安心して診察を受けられます。
- 流れ➀受付
セキセイインコの状態や疑問を伝える。
- 流れ②体重測定・身体検査
正確な体重、心臓や肺の異常がないかの確認。
- 流れ③視診・触診
羽や体表の異常、胸骨の「キールスコア」の確認。
「キールスコア」とは胸筋のつき方や脂肪の有無などを数字で評価したスコアのこと。鳥の健康状態を判断する指標として用いられる。
- 流れ④糞便検査
寄生虫や感染症の有無を確認するための簡易検査。
- 流れ⑤追加検査(必要時)
レントゲンや血液検査など。
次の章では信頼できる動物病院を見分けるポイントを解説します。
信頼できる動物病院を見分けるポイント

信頼できる動物病院を見つけることはセキセイインコの健康を左右する重要なポイント。
信頼できる病院かどうかを見分けるポイントは、
鳥類の専用の検査設備と、専門医による診療実績がある病院か
です。
理由を詳しく解説しますね。
鳥類専用の検査設備と、専門医による診療実績があるか
セキセイインコをはじめ、鳥類には特有の病気があります。
鳥類専用のレントゲン機器や遺伝子検査の設備が整っていて専門医による診療経験が豊富な病院は、
鳥類特有の病気に対して適切な診断ができるので安心です。
加えて、
・検査や診断・費用に関して事前の説明があるか
・鳥専用スペースが確保されているか(ストレス軽減)
これらもある病院なら信頼度はより高まります。
信頼できる動物病院が見つかり、病院に連れて行くときには注意点があります。
次の章で詳しく解説します。
セキセイインコを健康診断に連れていくときの注意点

セキセイインコを健康診断に連れていくときは、以下の4つの注意点があります。
- キャリーケースのサイズ
- ケース内の温度
- 移動時間
- 普段の様子の記録
順番に解説します。
1.キャリーケースのサイズ
ある程度自由に動き回れる広さがあるキャリーケースは、移動でのストレスも少なくセキセイインコの負担を軽減できます。
信頼できる動物病院が遠方にしかない場合、長時間の移動になるため、キャリーケースのサイズはセキセイインコが自由に動き回れようなサイズを選ぶようにしましょう。
2.温度
夏は直射日光が当たらないようにし、温度が上がりすぎないようにします。
夏以外は、使い捨てカイロや湯たんぽ、タオルや毛布などでキャリーケースをしっかり保温しましょう。
3.移動時間
移動が長時間になる場合、餌や飲み水をセットしましょう。
床に餌をまいておくのも可。
飲み水はこぼれてしまうこともあるので、対策として野菜を一緒に入れておくのがおすすめです。
4.普段の様子の記録
普段の様子が映っている動画や体重の記録などの情報は、診察の参考になるため可能な限り持参します。
特に 「体重の記録」 「フンの状態」 「食事量」 は的確な診断につながるので日頃から記録をとっておくことが望ましいです。
まとめ セキセイインコの健康診断は定期的に受けよう
セキセイインコの健康診断について解説してきました。
健康診断を受ける目的は健康管理の面だけでなく、体調不良になったときのための準備でもあるため、
定期的に受けておくことが大切です。
記事の要点を表にまとめました。
受診の目的 | 病気の早期発見と早期治療 鳥の専門医を確保する 健康に関する情報とアドバイスがもらえる キャリーケースへ入ることに慣れさせる |
受診のタイミング | お迎え直後 半年に1度ずつの年2回 |
検査項目・費用 | 基本検査:3,000~5,000円 オプション検査:10,000~20,000円前後 |
健康診断の流れ | 1.受付 2.体重検査・身体検査 3.視診・触診 4.糞便検査 5.追加検査(必要時) |
信頼できる病院を 見分けるポイント | 鳥類の診療実績があるか 設備は整っているか |
連れていくときの 注意点 | キャリーケースのサイズ 温度 移動時間 普段の様子の記録 |
いざというときに慌てないためにも、定期的に健康診断を受けておきましょう。

不安や疑問が少しでも解消できたら嬉しいです!