セキセイインコを雛から飼ってみたいな。
お世話のポイントがあるなら知りたい!
セキセイインコの雛は1日に何度も餌をあげたり温度管理をしたりと飼い方の難易度は高め。
とはいうものの、雛から育てると手乗りになりやすいというメリットもあります。
そこでこの記事では、セキセイインコ飼育歴6年の私が 「セキセイインコの雛の飼い方」 を初心者向けにわかりやすく解説していきます。
・雛の飼育のポイント
・雛の飼育に必要なグッズ
・餌を食べないときの原因と対処法
記事の後半では、雛を飼っていてよくありがちな 「雛が餌を食べない」 ときの原因と対処法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
1人で餌が食べれる幼鳥からの飼い方は 【初心者向け】セキセイインコの飼い方を徹底解説|基本のお世話がわかる! を参考にしてください。
「セキセイインコを長生きさせたい!」 という方は 【初心者必見!】セキセイインコを長生きさせるポイント4つを徹底解説 をご覧ください。
雛の飼い方の重要なポイント2つ

セキセイインコの雛の飼い方で重要なポイントは、
・挿し餌
・温度管理
の2つ。
そもそも雛とは生後35日くらいまでのことをいい、自分で餌を食べることができないので親鳥から口移しで餌をもらいます。
飼い鳥の場合は人間が親鳥の代わりに餌を与える 「挿し餌」 をして育てなければなりません。
「挿し餌」 は、生後2~3週間までの雛は1日に6~7回、生後4週間を過ぎても3~4回は与える必要があります。
この 「挿し餌」 がうまくできるどうかが雛の健康を左右するといっても過言ではありません。
また、生まれて間もない雛は羽毛がまだ生えそろっておらず体温調整する能力が未発達なため、親鳥やきょうだい鳥の体温で温められて育ちます。
そのため、人間が雛を育てる場合は保温グッズで温めることが必要です。
セキセイインコの雛の飼育に必要なグッズ

セキセイインコの雛の飼育に必要なグッズは以下とおり。
① 雛用ケース(プラケースなどの保温できるもの)
② 床材
③ 挿し餌用のスプーン
④ 温度計
⑤ 保温グッズ
⑥ 練習用止まり木
前述しましたがセキセイインコの雛は、
・自分で餌を食べることができない
・体温を調整する能力が未発達
なため、最低限➀~⑤までのグッズが必要です。
⑥の練習用の止まり木は成長とともに用意すればOK。
➀雛用ケース
ケースは専用のものも売られていますが、プラケースでも飼育できます。
保温できるよう覆われていて、中の様子が見えるものなら専用ケースやプラケース以外でも飼育可能です。
②床材
雛のフンは水分が多いため、床材はキッチンペーパーなどの吸水性のある床材が必要です。
爪がひっかかるのでタオルはNG。
吸水性のほかに保温効果もある 「バードマット」 も床材として優れています。
③保温グッズ
保温グッズはペットヒーターが最適です。
パネルタイプのヒーターは、ケースの底に置いて外側から温められるので、雛が直接触れてやけどの恐れがなく安心です。
ペットヒーターレビューパネルタイプ
パネルタイプのヒーターはケージ全体を暖めるには能力が低いため、雛がケージに引っ越すタイミングで電球タイプのヒータがあると安心です。
マルカン保温電球カバー付きレビューで性能など詳しくまとめていますので参考にしてください。
④温度計
温度計は、
・ケースの中の温度管理をする
・「挿し餌」の温度を測る
ので、2つ必要です。
⑤挿し餌用のスプーンと器
「挿し餌」 用のスプーンと器は、初心者は専用の雛用給餌セットがおすすめ。
雛が餌を食べやすいようスプーンの先が細い形状になっています。
⑥練習用止まり木
練習用止まり木は、プラケースの中に設置する高さが低い止まり木。
木に止まる練習ができるので、成長とともに用意したいアイテム。
セキセイインコの雛の温度管理

セキセイインコの雛の健康を守るには温度管理が重要で、湿度も低くならないようケースの近くに加湿器を置いて管理します。
時期 | 温度 | 湿度 |
---|---|---|
生後5週間まで | 28℃前後 | 50% |
生後5週間以降の幼鳥 | 24~28℃ | 50% |
ケースの上にタオルなどをかけて薄暗くすると安心します。
挿し餌の作り方、与え方

「挿し餌」 の作り方は簡単ですが、温度が低すぎると食べてくれず高すぎるとやけどの恐れがあるため、温度には十分注意しなければなりません。
挿し餌の材料
雛の 「挿し餌」 は以下のものを混ぜたもの。
・あわ玉
・パウダーフード(フォーミュラ)
あわ玉だけでは栄養が足りないので必ず2種類を混ぜて与えます。
作り方
「挿し餌」 の作り方は以下のとおり。
- 「あわ玉」 と 「パウダーフード」 (各スプーン1杯分)を合わせ、40℃くらいのお湯を加える
- なめらかになるまで混ぜる
湯せんすると40℃以下(38℃くらい)をキープできます。
あわ玉を煮立てたりふやかしすぎたりすると 「そのう」 (食べたものをふやかす消化器官)で発酵しやすくなるので、熱湯を使わないようにしましょう。
食べたものをためてふやかす消化器官の1つ。
食道が拡張した口と胃の間にある器官で、外観から見ると喉から胸のあたりに位置する。
与え方
「挿し餌」 の与え方は以下のとおり。
- 雛を背中から手のひらで包み込むように持つ
- このとき脚を指に止まらせると雛が落ち着く
- 湯せんをして40℃以下(38℃くらい)をキープし、スプーンを傾け斜め上から下のくちばしに入れる
作り置きせず、あげるたびに新しく作ります。
時期 | 与える回数 |
---|---|
生後 2~3週間 | 7時~22時くらいの15時間の間に 6~7回に分けて与える。 2~3時間おきが目安。 |
生後 4週間過ぎたら | 1日3~4回。 |
食べ具合は、 「挿し餌」 をした後に 「そのう」 が餌でいっぱいになっているかを確認するとわかります。
また、満腹になると鳴かなくなって食べなくなります。
健康な雛はお腹がいっぱいになるまで鳴いて餌をねだってくるので、鳴かなくなったら満腹です。
「挿し餌」 の時期は、飲み水は必要ありません。
雛が餌を食べない時の原因と対処法

雛が餌を食べないときの考えられる原因は、
➀ ペットショップで与えられていた餌と違う
② 環境に変化に緊張や不安を感じている
③ 餌の温度が低い
④ 与える時のスプーンの角度が悪い
⑤ お腹がすいていない
⑥ 体調が悪い
などです。
詳しく解説します。
原因➀ペットショップと餌や回数、時間帯が違う
ペットショップと同じ餌や回数、時間帯に変える。
ペットショップと同じ餌や回数、時間帯でなければ食べなくなる雛もいます。
・どんな餌を与えていたか
・与えていた回数と時間帯
をペットショップに問い合わせ、同じに変えてみましょう。
原因②環境の変化に緊張や不安を感じている
そっとしておく。
お迎えしてからすぐは環境の変化を敏感に感じる雛もいます。
様子を見ながら優しく声をかけ、少しずつ慣らしていくことで徐々に慣れていきます。
ケースの上面と側面を覆うようにタオルなどをかぶせて薄暗くすると、雛が安心します。
原因③餌の温度が低い
挿し餌の温度が40℃以下(38℃くらい)か温度計で確認する。
「挿し餌」 は温度が低すぎると食べてくれません。
温度が低い餌は、食べたとしても消化不良の原因にもなるため、必ず温度を確認してから与えるようにしましょう。
原因④与える時のスプーンの角度が悪い
斜め上から下のくちばしに入れるようにする。
親鳥が雛に餌を与える時は、斜め上からくちばしに流し込むように与えます。
スプーンで与える場合も親鳥と同じように斜め上から与えることが重要。
先が細くなっているスプーンの方が、親鳥のくちばしと似ているので雛は食べやすいです。
原因⑤お腹がすいていない
「そのう」を確認する。
前回食べた餌が 「そのう」 に残っているとお腹がすいてこないので 「そのう」 に餌が残っていないかを確認します。
「そのう」 に前回食べた餌が残った状態で次の「挿し餌」をすると 「そのう停滞」 を起こしてしまうので注意しましょう。
「そのう」 の餌が、胃に降りていかず 「そのう」 にたまってしまうこと。
「そのう停滞」 が疑われる場合は、
40℃前後のお湯を飲ませ 「そのう」 をやさしくマッサージすると、中の餌がほぐれて消化します。
20~30分おきに確認して、餌が残っているならこれを何度か繰り返します。
「パウダーフード」 のみを与えていると発生しやすいので、なるべく 「あわ玉」 を混ぜて与えるようにしましょう。
原因⑦体調が悪い
ケースの温度を30~35℃に保温する
これまでの対処法を試しても 「挿し餌」 を食べないうえに、
・吐いていたり、フンがいつもと違う
・温度を上げても羽を膨らませて元気がない
という場合は病気の可能性があります。
数時間保温しても元気が出てこないなら動物病院へ。
首を横に振りながら、餌をまき散らすように吐くこと。
オスの発情による求愛行動の1つ。
メスにアピールするするために「挿し餌」のような塊を1か所にまとめて吐き戻すこと。
首を縦に振ることが多い。
雛は発情しないので 「吐き戻し」 をすることはありません。
「挿し餌」 で順調に雛が育ってきたら、いよいよひとり餌の切り替えです。
次の章で詳しく解説します。
ひとり餌への切り替え

セキセイインコの雛は生後25~30日ころになると羽毛が生えそろうとともに 「そのう」 が下がってきて見た目ではわかりにくくなります。
この頃になるとプラケースの底に餌をまくと拾って食べるようになるので 「挿し餌」 の回数を少しずつ減らしてひとり餌へ切り替えていきましょう。
- step1.ケースの底に餌をまく
ケースの底にティッシュペーパーやキッチンペーパーを敷いて以下のものをまいておく。
瓶のふたのような浅い容器にも餌を入れて床にセットする。
※挿し餌の回数はまだ減らさない
- step2.挿し餌の回数を減らしていく
雛が餌を食べているようなら、挿し餌を減らす。
- 寝る前に最後の餌をたっぷりあげる。
- 翌朝は挿し餌の時間を遅くし、自分で食べるよう促す。
- 同時に止まり木に乗る練習もスタート。※落ちても大丈夫な低い止まり木を設置
- step3.挿し餌を夜1回だけにする
自分で食べるようになってきたら少しずつ挿し餌の回数を減らす。
ひとり餌になっても雛が甘えておねだりするときは1日1回、夜だけ 「挿し餌」 を与えるようにします。
ケージへお引越し

ひとりで餌を食べるようになった幼鳥の仲間入り。いよいよケージデビューです。
ケージ内の設置は以下のとおり。
止まり木は、飛べるようになったら普通の高さにセットします。
この頃は好奇心旺盛で遊ぶことが大好き。
1日30分くらいを目安に手に乗せて遊んであげると手乗りになりやすいです。
まとめ
セキセイインコの雛の飼い方を解説してきました。
セキセイインコの雛の飼育に必要なグッズは
① 雛用ケース(プラケースなどの保温できるもの)
② 床材
③ 挿し餌用のスプーン
④ 温度計
⑤ 保温グッズ
⑥ 練習用止まり木
です。
雛の飼い方で特に重要なのが、
・ケースの温度は28℃前後
・挿し餌は38℃くらいをキープしながら与える
以上の2つで、雛の飼い方で特に注意するべきポイントになります。

雛は餌をあげるとき以外の時間はほとんど眠って過ごすので
そっとしておいてあげましょう。